はじめに:なぜ今、自宅NASなのか

クラウドサービスが普及した今、なぜわざわざ自宅にNAS(Network Attached Storage)を置く必要があるのか——そう思う方も多いでしょう。

私が Synology DS223j を導入した理由は明確でした。

  • データの所有権:クラウドはサービス終了リスクがある
  • 月額コストゼロ:一度買えば維持費は電気代のみ
  • 高速なローカルアクセス:自宅ネットワーク内は爆速
  • Obsidianとの完璧な連携:ノートを自分のサーバーで同期できる

結果として、**「知的生活の基盤」**が整いました。この記事では、その全貌をお伝えします。


Synology DS223j の概要

DS223j(DiskStation 223j)は、Synologyが提供する2ベイのエントリーモデルNASです。

仕様詳細
ベイ数2ベイ(RAID 1対応)
CPURealtek RTD1619B(クアッドコア 1.7GHz)
RAM1GB DDR4
対応HDD最大2台(最大20TB×2)
ネットワーク1GbE×1
消費電力約12W(アクセス時)

エントリーモデルといえど、DSM(DiskStation Manager) という洗練されたOSが走っており、できることの幅は非常に広いです。


セットアップ手順

1. HDDの搭載

私は Seagate IronWolf 4TB × 2本 を搭載しました。NAS専用HDDは耐久性が高く、24時間稼働を想定して設計されています。

RAID 1(ミラーリング)設定にすることで、1台が壊れてもデータを失わない仕組みにしました。

2. DSMのインストール

  • Synology Assistant または find.synology.com にアクセス
  • 画面の指示に従いDSMをインストール(約10分)
  • 管理者アカウントを設定

3. 共有フォルダの設定

/volume1/
  ├── homes/        # ユーザーごとのホームフォルダ
  ├── documents/    # 文書類
  ├── obsidian/     # Obsidian Vault(後述)
  ├── photos/       # 写真バックアップ
  └── media/        # 動画・音楽

Obsidianとの連携が最強

私がNASを導入して最も恩恵を受けているのが、Obsidianのメモ管理との連携です。

仕組み

  1. NAS上に /volume1/obsidian/MyVault/ フォルダを作成
  2. 各デバイスからSMB(Windows共有)またはWebDAVでマウント
  3. Obsidianの「Vault」をこのフォルダに向ける

メリット

  • 複数デバイスで同じVaultを参照:PC・Mac・iPad すべて同じメモが見られる
  • 自動バックアップ:Hyper Backup でクラウドにも二重バックアップ
  • オフラインでも使える:ローカルファイルなので接続不要で編集可能
  • 月額同期費用ゼロ:Obsidian Sync(月約1,000円)が不要に

写真管理:Synology Photos の活用

Synology の純正アプリ「Synology Photos」は、Google フォトの自分版です。

  • スマホから自動バックアップ
  • AI による顔認識・シーン検出
  • タイムライン表示
  • 家族との共有アルバム

設定は Package Center から「Synology Photos」をインストールするだけ。スマホアプリも無料で提供されています。


セキュリティ設定(必須)

NASをインターネットに公開する場合、セキュリティ設定は必須です。

最低限やること

  1. デフォルトポートの変更:5000/5001 → 任意のポートへ
  2. 2段階認証の有効化:DSM管理画面 → セキュリティ → 2要素認証
  3. ファイアウォールの設定:許可するIPを絞る
  4. QuickConnect の活用:Synologyの中継サービスで安全にアクセス
  5. 自動ブロック:一定回数ログイン失敗したIPを自動ブロック

月額コスト比較

サービス月額
Google One 2TB約1,300円
Dropbox Plus 2TB約1,200円
Obsidian Sync約1,000円
DS223j(電気代のみ)約200円

初期投資は DS223j本体(約3万円)+HDD代(約3万円)=6万円程度 ですが、2〜3年で元が取れます。


まとめ

Synology DS223j は、単なる「データ保存装置」ではありません。

**知識を整理し、写真を守り、家族の思い出を管理し、クラウドから自立する——**そのための「自分だけのデジタル基盤」です。

Obsidianとの連携については、次の記事で詳しく解説します。