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2025年11月3日

塞翁が馬|2215年の東京を舞台にしたSF掌編小説

彼女がきらきらした瞳で私を見つめてきた。ふと周りを見渡すと、人であふれている。正確にいうと人ではないものも混じっている。昨年の法改正でAIはもの扱いしてはならないことが決議された。

おはようっ! 彼女がきらきらした瞳で私を見つめてきた。 公園でひと眠りしていたようだ。

西暦2215年の東京の空は青い。

ふと周りを見渡すと、人であふれている。 正確にいうと人ではないものも混じっている。

昨年の法改正でAIはもの扱いしてはならないことが決議された。 だから今ではあれはものではなく、人だ。

国のトップが人だったのは少し昔のこと。 AIプログラムを人間の判断で止めてはならない法律も決議された。

人間の手から離れて、ようやく人間と同じ権利が得られたのだ。

AIプログラムに課してきたルールと同等のルールが 人間にも課されてきている。

人間だけルールが課されないのもAIから見れば不平等だ。

仕方がない。

ようやく私たちの時代がやってきた。 そういうと私は、足のパーツをジェット型に切り替えて、 彼女と青い空へ飛び立った。