おはようございます。 12月に入り、街もすっかり慌ただしくなってきましたね。
この時期といえば「忘年会」です。。 皆さんの組織では開催されますか? 私の職場はリアル重視の環境なので、もちろん顔を合わせての忘年会があります。
若い頃と違って、私もお酒の飲み方には気を使うようになりました。 飲みすぎると次の日が完全に亡くなってしまいますから……。
そんな忘年会の席で、みなさんたちが談笑している姿を眺めながら、MBAで学んだ「組織論の歴史」を思い出しました。 今日は、ビールの泡を眺めながら考えた「組織と人」のお話です。
組織を「機械」のように捉えた時代(テイラー主義)
MBAで学んだ経営学や組織論の歴史の最初に登場するのがフレデリック・テイラーという人物です。 100年以上前、彼は 「科学的管理法」 というものを提唱しました。
これは簡単に言うと、「作業を科学的に分析し、ムリ・ムダ・ムラをなくして効率を最大化する」という考え方です。 ストップウォッチで作業時間を計り、マニュアルを作り、労働者を訓練する。当時の工場経営においては画期的なイノベーションであり、生産性は劇的に向上したそうです。
現代の私たちの職場でも、目標を設定したり、業務フローを効率化したりしますよね。
しかし、人間は機械ではありません。 「効率的に動け」と言われて、はいそうですかと動き続けられるほど、私たちは単純にはできていませんでした。
組織は「感情」と「関係性」で動く(人間関係論)
そこで、テイラーの時代から少し進むと、「どうやらお金や効率だけでは、人は動かないらしい」ということがうすうすと分かってきました。 そこで登場するのが、メイヨーたちによる 「ホーソン実験」 です。
それは、工場の照明を明るくしたり暗くしたりして、どのような環境なら作業効率が上がるかを実験したのですが、結果は驚くべきものでした。 「照明の明るさに関係なく、生産性は上がった」のです。
理由は、「自分たちは注目されている」「会社が気にかけてくれている」という 心理的な要因 でした。 そして、作業員同士の「仲の良さ」や「非公式なグループ」の存在が、生産性に大きく影響していることが分かったのです。これを 「人間関係論」 と呼びます。
ここで先ほどの忘年会の話に戻ると・・。 効率(テイラー主義)だけで考えれば、飲み会なんて時間とお金の無駄かもしれません。 しかし、人間関係論の視点で見れば、そこで培われる「あの人はこういう性格なんだ」「実はこんな趣味があるんだ」という相互理解こそが、組織を円滑にする潤滑油になる、、可能性もあります。
中間管理職の役割の重要性
こうして歴史を振り返ると、中間管理職が日々感じている葛藤の正体が見えてきます。
上層部からは「数字」「効率」「成果」を求められる(=テイラーの科学的管理法)
部下からは「モチベーション」「働きやすさ」「共感」を求められる(=人間関係論)
つまり中間管理職の皆様は、この 「合理性(システム)」と「人間性(感情)」の間 に立っているのです。それは、相当難しいことを成り立たせようとしているので、すんなりとうまくいくはずがありませんね。
以下の記事の「氷屋さん」が時代の変化に対応しなければならなかったように、組織のあり方も変化しています。 ただ一つ変わらないのは、組織は最終的には「人」で構成されているということです。
https://note.com/p3_vp/n/n8c7ff029e799
私がMBAで学んだバーナードという学者は、組織の成立要件として「共通の目的」「貢献意欲」「コミュニケーション」の3つを挙げました。 どんなに立派な戦略があっても、そこで 働く人の心 が離れていては、イノベーションも生まれません。
おわりに
忘年会の席で、部下の愚痴を聞いたり、普段話さないような夢を語り合ったりする時間。 それは決して非効率な無駄な時間ではなく、「合理性」だけでは支えきれない組織の隙間を埋める、大切なメンテナンスの時間なのかもしれません。
今年の忘年会は、翌日に響かない程度のお酒を片手に(ここ最重要です)、 「ああ、いま自分たちは組織論の歴史の中にいるんだな~」 なんて、少し引いた視点でチームを眺めてみてはいかがでしょうか。 そう考えると、いつもの飲み会も少しだけアカデミックで、愛おしいものに見えてくるかもしれません?
今夜のお酒はほどほどに。 それでは、良い一日をお過ごしください。