こんばんは。 皆さんは今日のランチ、何を基準に選びましたか?

時間がないからサッと食べられる「380円牛丼チェーン」に入ったかもしれません。あるいは、今日はちょっと贅沢をして、話題の「1,500円のグルメランチ」を食べに行ったかもしれません。

私たちはその時々の気分や状況で、 この 「安くて早い」 か 「高くて美味しい」 のどちらかを選びます。

もし目の前に 「800円、味はそこそこ、出てくるのもそんなに早くないランチ」 があったらどうでしょう? おそらく「今の気分じゃないな」と素通りしてしまうのでは。

ここには経営学の基本的な 「競争戦略」 の考え方があります。 今日は、MBAでも学ぶマイケル・ポーターの戦略論を、中学英語レベルの感覚で紐解いていきたいと思います。

■戦略とは「ユニーク」であること

まず、戦略という言葉。 なんとなく「ライバルを打ち負かす計画」のような物騒なイメージがあるかもしれませんが、ポーター教授の定義はもっとシンプルでした。

“Competitive strategy is about being different.” (競争戦略とは、他と違っていることである。)

英語の “Different(違う)” という言葉がポイントです。 ただ「Better(より良く)」を目指す競争は、やがて消耗戦になります。 そうではなく、他とは「違う(Different)」独自の価値を提供することこそが、戦略の基本なのです。

■勝つための「3つの基本型」

では、どうやって「他との違い」を作るのか。 ポーターは、企業が生き残る道は大きく分けて3つしかないと言っています。英語の単語もすごくシンプルです。

  1. Cost Leadership(コスト・リーダーシップ) 文字通り、業界で一番の「安さ」を武器にする戦略です。 徹底的に無駄を省き、規模を大きくしてコストを下げる。先ほどの例で言えば「牛丼チェーン」や「100円ショップ」の戦い方です。ここで重要なのは、“The lowest cost(最安)” であること。2番目では意味がありません。

  2. Differentiation(差別化) こちらは「安さ」ではなく、「ユニークさ(独自性)」で選ばれる戦略です。 デザイン、ブランド、味、サービスなど、顧客が「高くてもそれが欲しい」と思える価値を作ること。「スタバ」や「iPhone」がこれに当たります。英語の “Unique” がキーワードです。

  3. Focus(集中) 特定の相手(ターゲット)だけに絞り込む戦略です。 「左利き専用グッズ」や「超マニアックな専門書」のように、市場全体は狙わず、特定のニッチな領域でNo.1を目指します。

■避けるべき罠 “Stuck in the middle”

さて、ここからが今日一番覚えたい英語フレーズです。 これら3つの戦略のどれも徹底できず、中途半端になってしまった状態を、ポーターはこう呼びました。

“Stuck in the middle” (どっちつかず)

“Stuck” は「行き詰まる、動きが取れない」という意味です。 安くもないし、特別ユニークでもない。先ほどの「800円の普通のランチ」の状態ですね。 ポーターは、この状態についてかなり厳しい警告をしています。

“The firm stuck in the middle is almost guaranteed low profitability.” (どっちつかずの状態に陥った企業は、低い収益性がほぼ保証されてしまう。)

何でもかんでも手を出して、全てが平均点になってしまうことが、経営においては最も危険なことなのです。

おわりに

英語の勉強でも一緒ですね 「日常会話も、TOEICも、通訳レベルの単語も」 と全部一気にやろうとすると、 結局どれも中途半端・Stuck in the middleになりがちです。

「私はこれをやる。だから、これはやらない」

そうやって勇気を持って「捨てる」ことが、ビジネスでも個人のキャリアでも、自分だけの違い、差別化を作る第一歩なのかもしれません。 少しだけ「どっちつかずになっていないかな?」と振り返ってみてはいかがでしょうか。

それでは、また来週。 良い一週間をお過ごしください!