皆さんは、最近いつ「お花屋さん」に行きましたか?

私は、妻と些細なことでけんかをしてしまったときや、誕生日のとき、通勤途中にあるデパートで花屋さんでお花を買います。ありがとうのメッセージを添えて。

私にとって、花は「ごめんね」や「ありがとう」の気持ちを届けるための、強力なサポーターです。不思議なもので、花束がひとつあるだけで、トゲトゲしていた空気がフワッと和らいで、落ち着きます。お花には、人の気持ちを前向きに変える力があるのでしょう。

今日は、お花屋さん を題材に、競争せずに独自の価値を作る 「ブルー・オーシャン戦略」 について考えてみたいと思います。

「特別な日」から「毎日」へ。視点をずらすイノベーション

私のように「特別な日の贈り物(ギフト)」として花を利用する人は多いと思います。 お花産業は、まさにこの「ギフト需要」が思いつきます。

入学式、送別会、冠婚葬祭……。単価は高いけれど、需要はイベントに左右される。

そして、競合他社とお客を取り合うことになる。まさに 「レッド・オーシャン」 の状態ですね。ということで、お花屋さんにも競争戦略が必要になります。

そこで、青山フラワーマーケットという会社は一歩進んで考え方を変えてみたようです。「花に人の心を豊かにする力があるなら、なぜ特別な日にしか楽しまないのだろう?」 彼らのイノベーションは、ターゲットを「誰かに贈る人」から 「自分で楽しむ人」 へ、利用シーンを「日常」 へと、ガラリと変えた点にあると思います。

そういった概念があると、お花も気兼ねなく買えるようになりますね。

戦略キャンバスで考える:何を「やめた」のか?

口で言うのは簡単ですが、これを実現するにはおそらく大きな決断が必要だったと思います。ブルー・オーシャン戦略のフレームワークの戦略キャンバスで勝手に考えてみました。

取り除く:

「大きな冷蔵ショーケース」…鮮度は保てますが、お客様との間に壁を作るのでこれを撤去することで、花の香りや色を直接感じられるようになる。

「高単価な胡蝶蘭」…法人ギフトの定番を減らし、個人が買いやすい品揃えに絞る。綺麗ですが確かに高価で、手が届かない印象が

増やしたもの(Raise/Create):

「ライフスタイルブーケ」…キッチンやダイニングにそのまま飾れる、手頃なサイズのブーケを開発。

「入りやすさ」…駅の構内など、生活動線の中に店舗を構え、ふらっと立ち寄れる空間を作りました。

結果として、「花を買う予定がなかった人」が、パンを買うような感覚で花を手に取るという、新しい市場が生まれたのです。

ビジョン

彼らのビジョンに 「100本の花束より1輪の花を100名に」 という言葉があります。 これは、一部のお金持ちや特別なイベントのためだけではなく、より多くの人の「日常」に豊かさを届けたいという強い想いの表れです。

私が妻への仲直りに使う花も「豊かさ」ですが、 仕事帰りに自分のために買う一輪の花もまた、自分自身を労う大切な「豊かさ」です。 確かに、自分のためにはなかなか花は買わないです、、買いにくいので。 でも気軽に買えるのであれば買いたいなとも思います。

既存のルール(この場合はギフト市場の慣習)で戦うのではなく、「自分たちが本当に届けたい価値は何か?」 を突き詰め、そこに合わせてリソースを集中させる。 これは企業経営に限らず、人生やキャリア戦略にも通じる教訓ではないでしょうか。

おわりに

やはり、周りと比べて競争に消耗してしまうときは、少し立ち止まることが大事なのでしょう。もしかしたら、「他人のルール」というレッド・オーシャンで泳いでいるだけかもしれません。そして、そこには企業にとっても、また人生にとってもあまり意味はないのかもしれません。

自分にとっての「幸せ」や「譲れない想い」を軸に、やめること、はじめることを決める。 そうすれば、きっと自分だけのブルー・オーシャンが見えてくるはずですし、周りからの共感を集めやすいものだと思います。

ということで、今週は仕事帰りに何気ない日常の花を買ってみたいなと思いました。