こんばんは。街はすっかりクリスマスムードになりました。 今日は子供たちのクリスマス会というイベントがありました。

上の子は中学生になったのですが、最近は期末試験に向けて頑張っていました。教科書を見せてもらうと英語の内容も随分と難しくなっていて驚きます。一生懸命単語を覚えている娘の姿に感心している今日この頃です。

さて、MBAでの経営学の学びも、多くの重要な理論は英語が原著で書かれています。難しそうとかなり敬遠しがちですが、英単語そのもののニュアンスを理解すると、日本語訳よりもスッと腹落ちすることがあることが多いということは良く耳にしますよね。

今日は、前回の以下の記事少し触れた「変化に対応する力(ダイナミック・ケイパビリティ)」について、いくつかの英単語に注目して、皆さんと一緒に紐解いてみたいと思います。日本語だと難解な理論も、英語のイメージで捉えるとぐっと身近になるはず。

https://note.com/p3_vp/n/ne3660b6e1485

  1. 【Sensing】脅威を「感知」する力

今回とりあげるダイナミック・ケイパビリティの第一の要素は「Sensing(センシング)」です。 日本語では「感知」と訳されますが、なぜ「Seeing(見る)」や「Hearing(聞く)」ではないのでしょうか?

まず復習するとダイナミック・ケイパビリティとは: 組織が効果性の向上を追求して、そのオペレーティング・ルーティンを体系的に生成し修正していく、学習され安定した集合的な活動のパターンである。(諸説あるのかもしれません。下の方にそれぞれの単語を記載しました)

英語のニュアンス: Senseは「五感」や「感覚」を意味します。単に目に見えるものを追うのではなく、「なんとなく空気が変わったな」「匂いがするな」という、五感を研ぎ澄ませて感じ取るニュアンスが含まれています。

経営の視点: 前回の「氷屋さん」の話で言えば、氷を作る機械が登場した時、単に「機械があるな」と見るだけでなく、「これは自分たちの商売を脅かすかもしれない」という予兆を肌で感じる力のことです。 皆さんの日常でも、「あ、このプロジェクト、なんとなく雲行きが怪しいぞ?」と直感することがあるかもしれませんが、それこそがSensingの第一歩です。

  1. 【Seizing】機会を「捕捉」する力

脅威やチャンスを感じ取ったら、次は「Seizing(シーズィング)」です。 「Catch」や「Get」とどう違うのでしょう?

英語のニュアンス: Seizeには、「ぐっと掴む」「(機会などを)逃さず捉える」「(力づくで)奪う」といった、より能動的で強い意志が込められています。“Seize the day” でも使われる、力強い言葉です。

経営の視点: 変化を感じたら、迷わず資源(ヒト・モノ・カネ)を動かして、そのチャンスをガシッと掴みに行くこと。 「どうしようかな」と迷っているうちにチャンスは逃げていきます。氷屋さんが「よし、うちは配送網を生かして運送業に転換するぞ!」と決断し、舵を切るような強い意志決定がSeizingには込められています。

  1. 【Transforming】組織を「変容」させる力

最後は「Transforming(トランスフォーミング)」です。 単なる「Change」ではありません。

英語のニュアンス: Trans(超えて)+ Form(形)で、「形を一変させる」「質的に変化する」という意味です。映画『トランスフォーマー』で車がロボットに形を変えるように、原型をとどめないほどのドラスティックな変化を指します。

経営の視点: 既存の組織の形にこだわらず、新しい環境に合わせて自分たちの姿を再構築すること。 私たち個人で言えば、過去の成功体験やプライドを捨てて、「新しい自分」に生まれ変わる勇気を持つことに近いかもしれません。少し怖いですが、それが生き残るための「変容」なのです。

・・多くの日本の企業が苦手とする部分ですね!!

4.ダイナミック・ケイパビリティと英単語 さて、ダイナミックケイパビリティを学ぶ上で、今回理解したい英単語を以下に記載しました:

Learned(学習された) 生まれつき持っている才能ではなく、組織が経験を通じて後天的に獲得したもの。

Stable pattern(安定したパターン) 一度きりの「まぐれ当たり」や「火事場の馬鹿力」ではなく再現性のある安定した能力。

Collective(集合的な) 特定のカリスマ個人のスキルではなく、組織全体の活動として行われる。

Operating routines(オペレーティング・ルーティン) 日々の業務プロセス、いつもの仕事のやり方のことです。

Modifies(修正する)  日々の業務(ルーティン)をそのまま繰り返すのではなく、環境に合わせて「変える(修正する)」能力こそがダイナミック・ケイパビリティ。

Systematically(体系的に) 思いつきではなく、組織だって、計画的に行われるものです。

Pursuit of improved effectiveness(効果性の向上を追求して) 何のために? より良い結果(効果)を出すためです。

おわりに

Sensing(感じて)、Seizing(掴んで)、Transforming(変わる)。 一見難解なダイナミック・ケイパビリティもこうして単語の持つ本来の意味(コアイメージ)から眺めてみると、難しそうな経営理論も、「生き物の生存戦略」のように生き生きと感じられました。

中学生の娘が新しい単語を覚えて世界を広げているように、私たち大人も、言葉の背景にある意味を知ることで、仕事や人生のヒントを見つけられるかもしれません。

12月も後半戦。寒さに負けず、変化を「Sensing」しながら、温かい一週間をお過ごしください。