こんばんは。
最近、家族からプレゼントで、 スターバックスのマグカップを買ってもらいました。 家では、このマグカップでドリップコーヒーを飲んでいます。
中に入れている豆自体は、スタバのものではなく、普通のドリップコーヒーです。不思議なもので、そのマグカップで飲むと、なんとなく「スタバっぽい」おしゃれな、いつもより美味しいコーヒーを飲んでいるような気が少ししてきます。
きっと、カップを見るだけで、お店の落ち着いた雰囲気や、美味しいコーヒーの記憶を私が勝手に思い出しているからでしょう。 そう考えると、たった一つのマグカップが、私たちの脳内でブランドが再生されて、ブランド戦略として非常に重要な役割を果たしていることがわかります。
今日はそんな「ブランド」の力について、少し専門的な原文(英語)も交えながら、中学英語レベルの感覚を使って紐解いていきたいと思います。
ブランド・エクエティ
単語として中々なじめないこの言葉。まず「エクイティ」は金融用語で「資産」や「株主資本」を指します。が、マーケティングでは ブランドが持つ見えない資産価値」 を意味します。
MBAの教科書的な定義を、英語の原文で見てみましょう。
“Customer-based brand equity is defined as the differential effect of brand knowledge on consumer response to the marketing of the brand.”
(顧客ベースのブランド・エクイティとは、ブランド知識が消費者の反応に与える「特異な効果(違い)」と定義される。)先ほどのマグカップの例で言うと、中身のコーヒーは同じでも、スタバのロゴがあるカップ(Brand)で飲むと、私の「美味しい」という反応(Response)が変わってしまいました。 この 「反応の違い(Differential effect)」 こそが、企業が長い時間をかけて積み上げた「資産」の正体なのです。
「Recognition(再認)」と「Recall(再生)」の概念
では、どうすればそんな強いブランドになれるのでしょうか? ここで重要なのが、私たちの記憶の仕組みです。英語学習にも通じる2つの単語が登場します。
Recognition(再認):「見ればわかる」状態
Recall(再生):「何もなくても思い出せる」状態
再認に関しては、製品を見れば思い出せる状態のことです。 それに対して、再生は原文ではこのように説明されています。
“Brand recall relates to consumers’ ability to retrieve the brand when given the product category, the needs fulfilled by the category, or some other type of probe as a cue.”
(ブランド再生(Recall)とは、製品カテゴリーやニーズ、あるいは何らかの手がかりを与えられた際に、消費者がそのブランドを記憶から呼び起こすことができる能力のこと私の体験では、マグカップという 手がかりによって、スタバの体験が一瞬で呼び起こされた状態と言えます。 ブランドにおいて強力なのは、圧倒的にこの”Recall(再生)” とされています。
記憶に残る「強くて、好ましくて、ユニーク」な存在
では、どうすれば”Recall”される存在になれるのか。 ブランド・エクイティが確立された状態を、原文ではこう表現しています。
“Customer-based brand equity occurs when the consumer is familiar with the brand and holds some favorable, strong, and unique brand associations in memory.”
(顧客ベースのブランド・エクイティは、消費者がそのブランドに親しみを持ち、かつ記憶の中に「好意的な(Favorable)」「強力な(Strong)」「ユニークな(Unique)」ブランド連想を抱いている時に生じる。)Strong(強い):すぐに思い出せるか?
Favorable(好ましい):好きか? 良いイメージか?
Unique(独自性):他とは違うか?
今回はどちらかというと製品よりのブランドイメージでしたが、これは考えてみると企業経営だけでなく、個人にもそのまま当てはまるもので、仕事や友人関係の中で、「困ったな、誰に相談しよう?」という時。 「それなら〇〇さんにお願いしたい!」と、真っ先に自分の顔がRecallされるかどうか。
スタバのマグカップのように「おしゃれで美味しい記憶」を呼び起こしてくれたように、日頃から周囲に対して機嫌よく 「Favorable(快く)」、かつ自分らしい「Unique(個性ある)」 貢献を積み重ねていくことが大切なのかもしれません。
おわりに
中学英語でも単語を覚えるとき、見て意味がわかる(Recognition(再認))レベルから、何も見ずに書ける・使える(Recall(再生))レベルにするには、反復練習がかなり必要ですよね。
信頼やブランドも同じで、日々の小さな積み重ねが、やがて大きな「資産(Equity)」に繋がっていきます。 スタバのマグカップでほっと一息つきながら、そんな「ブランド」についても少し考えてみる日曜日の夜でした。
それでは、また来週。 良い一週間をお過ごしください!