皆さん、こんにちは。 満員電車、有名な観光地、人気のカフェ…

私たちの日常は「混雑」や「行列」であふれていますよね。 今はビジネスの世界も同じです。

最近は、インターネットのおかげで誰でも簡単に世界に向けて発信したり、モノを売ったりできるようになりました。これは素晴らしいことですが、同時に、世界のあらゆる場所で「競争」が激化していることでもあります。

限られたお客様を奪い合う、血みどろの競争の海。

これを経営学では「レッド・オーシャン(赤い海)」と呼びます。

この消耗戦から抜け出し、自分らしく豊かになるためのヒントが、「ブルーオーシャン戦略」にあります。今回はチャン・キム氏が提唱した『ブルーオーシャン戦略』を読み返していますので改めて取り上げて、少し参考にできる部分について考えたいと思います。

  1. 昔の「氷屋さんの教訓」:戦い続けるだけでは、危うい

以前、大学院で「氷屋さん」の事例を学びました。 かつて、氷を山から切り出して運んでいた氷屋さんは、とても繁盛していました。 やがて「氷を作る機械」が登場します。しかし、氷屋さんは「我々は馬車を改良して、もっと効率よく本物の氷を運ぶのだ」と、既存の戦い方(レッドオーシャン)での勝利に固執しました。

ご想像の通り、やがて機械の性能が上がり、安価な氷が大量に作れるようになると、氷屋さんは時代に対応できず衰退してしまいました。

多くの企業や個人が、この「氷屋さん」のように、「今いる場所で、もっと頑張る」ことに集中しすぎていないでしょうか。(特に日本の企業は)

  1. ブルーオーシャン戦略とは?:「戦わない」という選択

レッドオーシャンで消耗し続けるのではなく、まったく新しい市場、つまり競争相手のいない「ブルー・オーシャン(青い海)」を創造しよう。これが、ブルーオーシャン戦略の基本的な考え方だと理解しています。

そのカギは「バリュー・イノベーション」という言葉にあります。 つまり、ライバルを打ち負かすこと(競争)を考えるのをやめ、「顧客にとっての価値」と「自社のコスト」の両方にとって、これまでになかった新しい価値を生み出すことに集中する、という考え方です。 このような概念があることを理解していないと、目先の利益が遠のく感覚があり、日本の企業の多くはこのような取り組みを行わないのでしょう。経営学を学ぶことは大事ですね。

従来は「高品質=高コスト」「低コスト=低品質」というトレードオフ(二者択一)が当たり前でした。ブルーオーシャン戦略は、この“常識”を打ち破るところから始まります。

  1. 戦略キャンバス

では、どうやって競争のない「青い海」を見つければいいのでしょうか?

そのためのフレームワークを本著で紹介しています。「戦略キャンバス」です。 このツールには、大きく2つの素晴らしい役割があります。

役割①:「今いる場所(レッドオーシャン)」を可視化する

まず、自分たちが今どんな「競争の海」にいるのかを正確に知る必要があります。

戦略キャンバスは、その業界が「当たり前」として競争している要素(例えば、価格、品質、デザイン、アフターサービスなど)を横軸に並べます。そして、縦軸で各企業がどれくらい、その要素に力を入れているか(投資しているか)を点で結び、「価値曲線」というグラフにします。

例えば、ある研究では、アメリカのワイン業界を分析しました。 その結果、驚くことに、あれほどたくさんの種類があるワインも、顧客から見ると「高価格・高品質(高級ワイン)」か「低価格・そこそこ(デイリーワイン)」の、ほぼ2つのパターンしかありませんでした。 つまり、誰もが同じような「価値曲線」で戦っていたのです。これがレッドオーシャンです。

以下はワイン業界のイメージです。

役割②:「新しい価値(ブルーオーシャン)」を創造する

「今いる場所」がわかったら、いよいよ「新しい航路(ブルーオーシャン)」を探します。 戦略キャンバスは、新しい価値曲線を描き直すために、次の「4つのアクション」**を問いかけます。

【取り除く】:業界常識だが、実は不要なものは?

【減らす】:過剰品質で、思いきり減らせるものは?

【増やす】:顧客が本当に望むもので、大胆に増やすべきものは?

【創造する】:業界がこれまで提供してこなかった、新しい価値は?

この4つの質問で、先ほどのワイン業界に革命を起こしたのが、「イエローテイル」という企業です。 彼らは、ワインの「難しさ」や「伝統・格式」といった要素を【取り除き】、代わりに「選びやすさ」「飲みやすさ」「楽しさ」といった、ビールやカクテル飲料のような要素を【創造し】、まったく新しいブルーオーシャンを切り開きました。

以下がブルーオーシャンの戦略キャンバスのイメージです。(黄色の線)

  1. 自分の仕事にも応用

今、働いている業界や職場で「当たり前」とされている競争要因は何でしょうか?

もしかすると、私たちはその「レッドオーシャン」で1位になることばかりを考えて、疲弊しているかもしれません。 もちろん、今いる場所で勝ち抜く努力も大切です。 しかし、一度上記のような戦略キャンバスで現状分析をしてみると面白い結果が得られるかもしれません。

「取り除いて」もいい常識は?

「減らして」もいいものがないか?

あなたが本当に「増やしたい」価値は?

「創造できる」新しい価値がないか?

  1. まとめ:戦う場所を、自分で選ぶ勇気

世の中は、魅力的に見える「レッドオーシャン」であふれています。 しかし、誰もがそこで戦い続けて疲弊を継続する必要はありません。 自分だけの穏やかで豊かな海(ブルーオーシャン)を見つけることができるといいなと思っています。

戦い方を変えるのではなく、視点を少しかえて戦場をそのものを変える、もしくは戦場ではなくする。そんな視点を持つことができればもう少し日本も豊かさを取り戻せるはず。

この記事が、皆さんのなにかの参考になれば幸いです。