3連休の中日、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

秋も深まり、風がひんやりとしてきましたね。私は今日、久しぶりに家族みんなで散歩に出かけました。今日は天気も良く、歩いていると体がポカポカしてきて、とても気持ちの良い時間でした。

子供たちも大きくなり、自分で電車に乗れるようになってからは、ずいぶんと楽になりました。今はもう、それぞれの世界を持ち始めている。 親としては子供が自分の「新しい道」を選んで歩き始めている姿を見ると、頼もしさを感じます。少し寂しい気持ちはありますが。。

さて、今日は前回と前々回そんな「新しい道」の話をビジネスの視点から、 長らく読み進めてきた『ブルー・オーシャン戦略』シリーズの考察の最終回です。

https://note.com/p3_vp/n/n2344189a528b

https://note.com/p3_vp/n/n8c7ff029e799

テーマは、競争のさらに先にある概念、「非ディスラプティブ(破壊なき)な創造」 について。 ブルー・オーシャン戦略と、最新の「破壊なき市場創造」。この2つはどうつながっていて、どうすれば実践できるのか? そのロジックと境界線を整理したいと思いました。。

「破壊」と「創造」の境界線はどこか?

「イノベーション」と聞くと、多くの人は「創造的破壊」を思い浮かべます。 古い産業を新しい技術が駆逐する、デジタルカメラがフィルムを飲み込んだような事例です。これはこれで経済発展には必要ですが、そこには必ず「痛み」や「敗者」が生まれます。

しかし、ブルー・オーシャン戦略の著者たちがたどり着いた最新の結論は、もっと優しい世界です。それが 「非ディスラプティブ(破壊なき)な創造」 です。

両者の 「境界線」 は非常にシンプルです。

①破壊的創造: 既存の市場(円)の内側に入り込み、シェアを奪う。相手は縮小するか消滅する。

②破壊なき創造: 既存の市場(円)の 「外側」 に、全く新しい円を描く。既存のプレイヤーは誰も傷つかず、新しい雇用と成長だけが生まれる。

つまり、ブルー・オーシャンという広い海の中に、「誰も傷つけない聖域」があるイメージです。 もし、新しいアイデアによって、既存の誰かが泣くなら、それは「破壊」を含んでいます。誰も泣かず、新しい価値だけが生まれるなら、それが「破壊なき創造」です。

「再構築」のロジックにスイッチを入れる

どうすればそんな理想的な市場が見つかるのか? そもそもそんなものは、本当に存在しているのか? 『破壊なき市場創造』の本では概念が語られていますが、具体的な思考の道具(ロジック)は、『ブルー・オーシャン戦略』の中にヒントがいくつかありました。

最大のロジックは、「再構築主義(Reconstructionist View)」 という考え方です。 「業界の常識や境界線は、所与のものではなく、自分たちで書き換えていい」という思考スイッチを入れること。ここからすべてが始まります。

具体的に使える「ロジック」は2つあります。

  1. 「非顧客(Non-customers)」を見る

前回のテーマでも取り上げましたが、既存の顧客(レッドオーシャン)を取り合うのではなく、「まだその業界の商品を使っていない人」 や 「あえて使わない人」 に目を向けます。 例えば、「スクエア(Square)」という決済サービスは、これまでクレジットカード決済を導入できなかった中小個人商店や屋台の人々(非顧客)に、スマホで決済できる仕組みを提供しました。 これは既存のカード端末メーカーのシェアを奪ったのではなく、市場の外側に新しい巨大な市場を作ったものとケーススタディとしてブルーオーシャン戦略で取り上げられていました。。

  1. 「見過ごされてきた問題」を探す

破壊的イノベーションは「既存の解決策(ガラケー)」を「より良い解決策(スマホ)」で置き換えます。 対して、破壊なき創造は、「そもそも解決策が存在せず、問題だとすら思われていなかった痛み」 を探します。

「生理用品」や「マイクロファイナンス」などは、それまで 「仕方がない」 と放置されていた問題に光を当て、解決策を提示することで生まれました。

破壊なき創造への入り口:「みんなが諦めているけれど、実は困っていること」

強みをスライドさせる技術

ここもポイントです。 「破壊なき創造」をするために、突拍子もない新しい技術や発明は必ずしも必要なく、 むしろ、今ある既存事業の強みや知識が鍵になります。

既存のブルー・オーシャン戦略の事例を見ても、多くの企業が 「自分たちの強みを、別の場所にスライドさせる」 ことで成功しています。

技術のスライド: 既存事業の技術を、異なる分野で、これまで相手にしていなかった人々に提供する。

資産のスライド: 既存事業の資産を使って(強み)を使って、新しい市場やサービスで検討を考えてみる。(新しいリソースに頼らない)

「今、私たちが持っているこの技術や強みを使って、まだ助けられていない人は誰だろう?」 「この強みを、業界の壁の『向こう側』に持っていったら、どんな新しい価値になるだろう?」

今の仕事を否定する必要はないということですね。

おわりに

子供たちが成長して親の手を離れるように、ビジネスもまた、既存の競争(親のような巨大な存在)を倒すのではなく、別の場所で自立し、新しい世界を作ることができる。

「誰かを倒さなくても、勝てる」 「何かを壊さなくても、作れる」

このロジックは、経営戦略としてだけでなく、私たちがこれからの時代を穏やかに、しかし力強く生きていくための指針になる気がします。 競争戦略が行きつく先として、私はこの考え方が好きです。

ブルー・オーシャン戦略の読書を通じて得たこの「視点」を、明日からの仕事や生活に活かしていきたいと思います。 皆さんの目の前にも、まだ誰も気づいていない「静かな青い海」が広がっているかもしれません。

この記事が誰かの参考になれば幸いです。