こんにちは! いつも記事をお読みいただきありがとうございます。

テーマは引き続き、書籍『破壊なき市場創造の時代』から、「非破壊的創造」についてです。 今回は、「具体的にはどういうこと?」という疑問に答えるため、私たちの生活にすっかり定着した「メルカリ」をケーススタディとして深掘りしてみたいと思います。

おさらい:「非破壊的創造」とは?

まず簡単におさらいです。「非破壊的創造」とは、既存の市場や企業を打ち負かす(破壊する)のではなく、これまで市場がなかった場所に、まったく新しい需要と価値を創り出すイノベーションのことでした。

この観点から、ではメルカリは一体、どんな新しい市場を創り出したのでしょうか?

ケーススタディ:メルカリは「非破壊的」かどうか

メルカリが登場する前、個人がモノを売買する方法がなかったわけではありません。リサイクルショップや、ネットオークション(ヤフオクなど)がありました。

しかし、多くの人にとっては、これらには大きな心理的なハードルがありました。

リサイクルショップ: 「持ち込むのが面倒」「買い叩かれそう」

ネットオークション: 「出品手続きが複雑で難しそう」「個人情報のやり取りが不安」「トラブルが怖い」

実際に私は、リサイクルショップには面倒でなかなか売りに行きませんでしたし、ネットオークションも買うのは良かったですが、売るのはハードルが高かった記憶があります。

まさに、書籍で語られている「解決されていない、あるいは長年放置されてきた問題」がここにあったのではないか、と思います。

結果として、多くの人は「不要品を売る」という選択肢を持たない本著でいう「無消費者」だったのです。メルカリは、この「面倒くさい」「不安」という業界の暗黙の前提に挑戦し、見事に市場を解き放ちました 。

暗黙の前提①「出品はPCが必要だし、複雑な作業や知識が必要だ」

メルカリは、スマホで写真を撮って説明を数行書くだけ、というSNSのような手軽さを実現しました。これにより、「PCが苦手な人」や「時間がない人」でも気軽に参加できるようになりました。

暗黙の前提②「知らない人との取引は不安で危険なのではないか」

代金を一時的にメルカリが預かる「エスクロー決済」や、お互いの住所を知らせずに済む「匿名配送」を導入しました。これにより、金銭トラブルや個人情報漏洩のリスクを劇的に下げ、安全という「価値」を提供したのです。

結果

この結果、メルカリは既存のオークション市場を「破壊」したというより、これまで参加してこなかった膨大な数の人々を巻き込み、「誰もがスマホ一つで、安心・簡単に不要品を売買できる」という、まったく新しい巨大市場を「創造」したのです。これこそが、「非破壊的創造」の典型例と言えるのではないでしょうか。

明日から使える「非破壊的創造」のヒント ~メルカリに学ぶ~

「面倒くさい」「不安」に宝が眠っている  多くの人が「仕方ない」と諦めている不便さや、手を出せずにいる不安感こそが、新しい市場の種になる。

「やらなかった人」は、なぜやらなかったのか?を考える 既存のサービスを使っている人ではなく、使っていない「無消費者」に目を向けてみましょう。彼らが参加できない「障壁」は何かを突き止め、それを取り除くことが、新しい市場の入り口になります。

技術で「解決」するのではなく、技術で「価値」を届ける メルカリが活用したスマホや物流網は、元々あったものです。大切なのは、それらの技術をどう組み合わせれば、ユーザーに「簡単・安心」という飛躍的な価値を届けられるか、という視点です。

さいごに

今回は、身近な事例としてメルカリを取り上げました。「非破壊的創造」は、どこか遠い世界の話ではなく、私たちの日常にある「不便」や「不安」を解決したいという想いから生まれる、ということが少しはわかったような気がしました。

自分の周りにある「これ、もっと簡単にならないかな?」が、次の素晴らしい次のイノベーションの種に繋がるかもしれません。

この記事が何かの気づきに繋がりましたら幸いです。